ヨルシカとは?作品の形から選ぶ、はじめての聴き方
ヨルシカは、曲単体だけでなく作品同士のつながりから聴くと特徴が見えやすい。『だから僕は音楽を辞めた』と『エルマ』、音楽画集『幻燈』、デジタルアルバム『二人称』を入口別に整理する。
ヨルシカを初めて調べるなら、曲名を一つずつ追うより、作品がどんな形で作られているかを見ると整理しやすい。公式情報からは、ヨルシカが音楽だけでなく、物語や絵、書簡型小説とのつながりも含めて作品を展開していることが分かる。
ヨルシカは、n-bunaとsuisによる音楽ユニット
公式プロフィールによると、ヨルシカはコンポーザーのn-bunaがボーカルのsuisを迎えて結成し、2017年4月に活動を開始した。役割は、n-bunaがギターとコンポーザー、suisがボーカルである。
ここで押さえたいのは、メンバーの情報だけでヨルシカを理解しようとしないことだ。公式ディスコグラフィーを見ると、作品そのものに物語や視覚的な仕掛けが組み込まれている。初めて聴くときは、誰が歌っているかに加えて、どの作品の世界に入るのかを選ぶ方が、自分の関心に合う入口を見つけやすい。
物語を順番に追いたいなら『だから僕は音楽を辞めた』から
最初の入口として分かりやすいのは、1stフルアルバム『だから僕は音楽を辞めた』と、その続編として公式に案内されている『エルマ』である。
この2作品は、単に発売時期が近いアルバムという関係ではない。公式の発売告知では、『エルマ』が『だから僕は音楽を辞めた』の続編であり、前作の主人公から届いた手紙に影響を受けたエルマの物語として説明されている。
そのため、歌詞を一曲ずつ独立した作品として解釈するより、まず『だから僕は音楽を辞めた』を聴き、続けて『エルマ』へ進む方が、作品同士の関係を確かめやすい。これは公式が唯一の聴き方を指定しているという意味ではなく、明示された続編関係を利用した聴き方の提案だ。
絵と音楽を一つの作品として受け取りたいなら『幻燈』
音楽以外の要素も含めて楽しみたいなら、音楽画集『幻燈』が入口になる。公式ページでは、『幻燈』を絵と音楽を組み合わせた「聴ける画集」として紹介している。
ここから見えてくるのは、ヨルシカの作品を「音源を聴くもの」だけに限定しなくてもよいということだ。曲を聴きながら、画集としての構成や視覚表現との関係を考えたい人には、アルバムを順番に聴く場合とは別の入り方になる。
ただし、絵から受け取る印象や曲の解釈まで公式に一つへ決められているわけではない。『幻燈』は、音と絵の両方を手がかりに、自分で結びつきを探す作品として向いている。
音楽と文章の連動に関心があるなら『二人称』
近年の作品から入りたい場合は、デジタルアルバム『二人称』も候補になる。公式ページでは、書簡型小説『二人称』と連動する作品として案内され、全22曲が収録されている。
ここでも重要なのは、アルバム単体の曲数ではない。音楽と文章が別々に並ぶのではなく、一つの題材を異なる形式から受け取れるように設計されている点にある。曲を聴くだけでなく、書簡という形式との関係まで含めて作品を読みたい人は、この入口からヨルシカの作り方を考えられる。
ヨルシカの入口は、好みより先に「受け取り方」で選べる
ヨルシカを知る方法は一つではない。物語の続きが気になるなら『だから僕は音楽を辞めた』から『エルマ』へ、絵と音の関係を見たいなら『幻燈』へ、音楽と文章の連動を追いたいなら『二人称』へ進む。
この選び方なら、最初から作品全体を網羅しなくても、自分が知りたいヨルシカの輪郭から入れる。作品を聴いて感じたことは、公式に示された設定と同じものとして断定せず、確認できる作品構造を手がかりに自分の解釈を重ねていくのがよい。