桜の「開花」と「満開」はどう決まる?標本木と観測基準を調べた
開花は数輪、満開は約8割。桜の発表を正しく読むために、気象庁の標本木と観測基準を整理します。
調べたきっかけ
春になると耳にする「桜が開花しました」「満開になりました」という発表。何となく、街の桜が一斉に咲いた様子を表していると思っていました。
けれども、何輪咲けば開花なのか、満開は本当に全部の花が開いた状態なのかが気になり、気象庁の資料を調べました。分かったのは、発表の基準になるのは地域全体の平均ではなく、観測対象として定められた標本木だということです。
核心を表にすると
気象庁のFAQと「生物季節観測指針」をもとに、判断の違いを整理しました。
| 発表 | 標本木で確認する状態 |
|---|---|
| 開花日 | 5~6輪以上の花が開いた状態になった最初の日 |
| 満開日 | 咲き揃ったときの花数の約80%以上が開いた状態になった最初の日 |
つまり、開花は木全体の割合ではなく、開いた花の数で判断します。一方、満開は100%ではなく約80%以上が目安です。気象庁のFAQでは、大きな木ですべての花が開いたかを厳密に判断することは難しく、時間とともに花の状態も変わるため、一般に満開と感じられる約80%以上を基準にしていると説明されています。
「生物季節観測指針」には、満開について、すべての花が同時に咲いている必要はないことも示されています。先に咲いた花があることを踏まえ、標本木が咲き揃ったときに見込まれる花数を基準に見るということでした。
発表を読むときの判断順序
私は、今後の桜の発表を次の順番で確認すると理解しやすいと考えました。
- どの段階の発表かを見る
「開花」なら5~6輪以上、「満開」なら咲き揃ったときの約80%以上が基準です。 - 標本木の観測結果だと捉える
公園や地域全体の桜を数えた結果ではありません。 - 開花の花数に胴咲きを含めない
幹や根から咲く胴咲きは、通常の開花とは異なる過程と考えられるため、開花判定の5~6輪には含まれません。 - 観測する桜の種類を確認する
観測対象は主にソメイヨシノですが、ソメイヨシノが一般的ではない地域では別の種類が使われます。
この順序で考えると、近所の桜が咲いているのに開花発表がまだない場合や、満開発表の時点でつぼみが残っている場合も、発表との食い違いとは限らないと分かります。
もっと気になって調べたこと
全国の観測がすべてソメイヨシノなのかも確認しました。気象庁によると、全国比較や長期間の比較に使えるよう、主な観測対象は広く分布して関心も高いソメイヨシノです。ただし、ソメイヨシノが一般的ではない地域では、北海道の一部でエゾヤマザクラ、南西諸島でヒカンザクラを観測しています。
同じ「桜の開花」という発表でも、地域によって観測対象の種類が異なる場合があります。開花日を地域間で見比べるときは、日付だけでなく、どの標本木と種類を観測しているのかも意識しておきたいところです。
調べる前は「開花」と「満開」を木全体の印象で決めているように感じていました。実際には、標本木を定め、開花は花数、満開は咲き揃ったときの割合という別々の基準で記録していました。春の短い発表の裏側に、毎年の変化を比べるための具体的な観測ルールがあることが分かりました。