「職員」は公務員や正社員のこと? 公式資料で読み解く言葉の範囲
e-Statの職員項目と、正規雇用・雇用形態の公式な整理から、「職員」という言葉だけでは読み取れない情報を見分けます。
「職員」と書かれているだけで、その人が公務員なのか、正規雇用なのかまで決められるのでしょうか。結論は、資料の定義を見ない限り決められません。大事なのは「職員」という呼び名より、その資料が誰を対象に、どんな分類で数えているかです。
「職員」だけでは、所属先は決まらない
政府統計の総合窓口(e-Stat)の「その他の職員数」は、事務職・現業職を問わず、公務に分類されない業務を行う事業所(学校、病院等)では、公務以外の業務に従事する者も含むと定義しています。定義単位項目情報
これは、この統計項目における「職員」が公務員だけを指していないことを示します。したがって、表に「職員」と書かれていても、その語だけから所属先を公的機関だと決めつけることはできません。まず、その表がどの調査・項目の定義に基づいているかを見る必要があります。
「正規」かどうかは、別の軸で見る
雇用の区分も同じです。厚生労働省の資料「正規雇用の概念」は、「正規雇用」や「正規雇用労働者」について確立した定義はないと整理しています。厚生労働省の資料
さらに、総務省統計局の「労働力調査の調査事項」では、雇用形態の区分として「正規の職員・従業員」「パート」「アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員」「嘱託」「その他」が示されています。この調査では、勤務先での呼称を軸に区分します。調査事項
ここで分けて考えたいのは、「職員」という語と、「正規の職員・従業員」という分類名は同じ情報ではないということです。「職員」とだけ書かれた資料から、正規雇用であることまで読み足すことはできません。正規・非正規の扱いを知りたいときは、同じ資料の定義や分類方法を確認する必要があります。
読むときは、言葉ではなく定義の置き場所を見る
「職員」という表現に出会ったら、次の順番で読むと判断を誤りにくくなります。
- その語が使われている項目を確認する。 数字や説明文の近くに、調査名、項目名、対象者の定義がないかを探します。e-Statの例のように、項目名ごとに対象範囲が決められている場合があります。
- 知りたい情報を分ける。 所属先を知りたいのか、正規・非正規などの雇用区分を知りたいのかで、確認すべき記述は変わります。
- 分類軸を確認する。 労働力調査のように勤務先での呼称を軸にする資料もあるため、分類名を見つけたら、その資料が採用した区分方法まで読みます。
「職員」は、文書の文脈に応じて人を指すラベルであって、それだけで所属先や雇用区分を埋める情報ではありません。e-Statの項目定義が示す対象範囲と、労働力調査が採る呼称ベースの区分は、同じ「職員」という語でも別の問いに答えています。呼び名を身分の証拠にするのではなく、同じ資料の定義と分類軸を読むことが、数字や案内を読み違えないための実用的な基準になります。